このレンズの購入は2001年1月だったと記憶している。すでに購入記録のない時期のレンズになるが、それなりに使い込んできたレンズではあるので、思ったことを書いていこう。レンズの主観的なレビューをかくということで、購入経緯から実際の使用感までを作例をつけて、このエントリーにまとめていくことにする。
EOS-1D MarkII / EF 300mm F2.8L / 絞り優先AE F2.8 -2/3EV (シャッター速度 1/1000) / ISO100 / WB: Daylight
言わずと知れた「キヤノンのサンニッパ」。それなりに重く、それなりにでかく、白レンズ、蛍石使用、F2.8という幾重にも所有欲を満たしてくれるレンズである。「いつかはサンニッパ」というくらい憧れのレンズだったが、写真を始めて1年くらいしか経たないときに、中古の良い出物に出会い、衝動的に入手となった。もともとEOS-3でEF 70-200mm F2.8L+X1.4エクステンダーでモータースポーツの撮影を行っていたが、ほぼ200mmでテレコン常用であったため、ならば300/2.8の良い出物があったら購入しても良いかと考えていたレンズである。これを買うまではどのようにしてISサンニッパを買おうかと苦慮していたが、このレンズを購入したことによりISレンズは僕の元から遠ざかっていったことになる。
前のオーナーは大分年配の鳥屋さんだったようで使用頻度は多くはなかった模様。このレンズに付いている外装上の傷はほぼ僕が付けた物である。(あまり無いけど。) レンズは非常に美しい状態であった。ほぼ新古品と言うべき物で、某カメラ屋さんには破格の値段で売っていただいたように思う。僕自身も使用頻度はあまり高くはなく、車でレンズを持って行けない撮影には持って行けないので、小規模なポートレート撮影で5回ほど使用、年に数回のモーターレースでの使用となっている。最近ではほどよい画角のため、星野写真でも使うようになってきている。従って僕がこのレンズを使っているシーンを見たことがあると言う人はかなりレアであるし、写ったことがあると言う人はもっとレアな人である。
肝心の写りは、数々の雑誌で評価され、いたるところで作例が見れるので、私ごときが評論するまでも無いし、論評もできないそういうレンズ。色のりは良く、解像度の高さは驚くべき物でポートレートで全身像を撮影した場合に髪の毛の1本まで解像する恐るべきレンズである。銀塩時代にはパーフェクトな性能を誇っていた本レンズであるが、デジタルでは保護レンズとなっている1枚目の平板ガラスが仇となって、逆光性能は芳しくない。この点に関してはメニスカスレンズになったEF 300mm F2.8L ISで解決されたようだ。ISがあれば一脚でシャッター速度1/8程度までがんばれそうなのだが・・・ 使用頻度を考えるとなかなか買えない。
EOS-1D MarkII / EF 300mm F2.8L / シャッター速度優先AE 1/250 ±0EV (絞り F8) / ISO100 / WB: Daylight
EOS-1D MarkII / EF 300mm F2.8L / シャッター速度優先AE 1/250 ±0EV (絞り F8) / ISO100 / WB: Daylight
モータースポーツでの使用例である。2006年のF-1日本グランプリ予選で撮影した物から。しばらくモータースポーツの撮影をやっていなかったので、シャッター速度1/250での撮影になっているが、これまでの経験だとシャッター速度は1/60~1/125あたりでの使用が多い。(ブランクがあったこととF-1でシューマッハ引退の年というのが、安全な方に設定させたので。) さすがにF2.8と言う明るさは要らないんじゃないの?と言う声はあると思うが、このレンズのAF駆動速度は撮影時にはかなり心強い。実際の所F8~F11で撮影することになるが、300mm F4と300mm F2.8だとおそらく300mm F2.8の方が動体AF撮影時の歩留まりは高いと思う。あとISがあれば、1/30あたりの歩留まりが上がりそうなのだが・・・ ちなみにこの手の撮影を行う場合は1脚は付けている物の、基本は手持ち。一脚は待っている間の負荷軽減のために使っている。また決まった場所に置きピンできるように暇なときにAF位置を記憶させることができるのも便利なところ。
EOS 5D / EF 300mm F2.8L / 絞り優先AE F2.8 ±0EV (シャッター速度 1/1000) / ISO100 / WB: 4500K / モデル: 朝倉 千晶さん
ポートレートでの撮影例。一昔前のポートレートと言えばサンニッパが多用されていたのだが、その大きな目的はこのレンズでのポートレートはロケ地がどうでも良いからである。こんな感じで全身を撮影しても、絞り開放だと背景はこんな感じにぼけてしまってどこだかよく分からなくなってしまう。(ということで国内での水着撮影に良く使われていたらしい。) それにこの場合そこそこピントが深いので、ピントをあまり気にせず撮影できるという利点はある。ただしモデルさんとの距離が凄いことになってしまって、大声で指示となるわけだが・・・ このくらいの望遠レンズになると遠近感によるゆがみがほとんど無くなってしまうので、千晶さんのようにスタイルが良く、クールなモデルさんの場合の絵作りが非常にしやすいし、実際きっちり写ると思う。昔のファッション誌のような撮り方のようになったかと思う。(最近はその反動があって、背景が分かるような写真の方が多いが・・・)
EOS 5D / EF 300mm F2.8L / マニュアル露出 F2.8 シャッター速度 60秒 / ISO800 / WB: 自動 / SXDによるノータッチガイド
天体撮影での使用例。被写体はペルセウス座の二重星団NGC869とNGC884。F2.8と言う明るさはこの手の撮影には絶大な威力を誇る。ただ四日市の空だと明るさが災いして、バックグラウンドが光害で明るくなりすぎてしまうのが難点。ただF2.8と言う明るさと300mmという画角はSXDクラスの赤道儀だと5分はノータッチガイドで行けるはずなので、条件の良い空を探して性能をじっくり体感したい。周辺減光が気にはなる物の画像処理によって除去可能なので気にする必要はないと思われる。(ここではそのままにしてある。) 135フルサイズの画像であるが、画面全体ほぼ一様な点像を維持できており収差は絞り開放においてもほぼ気にしなくて良いレベルであろう。このようなレンズに厳しい撮影を行ってもきっちりとした結像をするのはいろいろな撮影において心強い結果である。ただしピント合わせは非常に難しく、いまだになかなか満足行く撮影を行えていない。
まとめると、何を撮影しても満足以上に写るレンズで、数少ない欠点と言えば、大きくて重たいためなかなか持ち出せないと言うことであろうか。このレンズは先日修理部品払底となったため、壊れたらそれでおしまいという状態になってしまっているので、実際の所は現行ISレンズに乗り換えたいのだが、ISレンズも最新鋭のISユニットではなく、発売後結構経つのでモデルチェンジしたら痛いなということで、買い換えは保留している。価値のあるうちに買い換えたいところであるが・・・
あと手持ちの中では最も望遠なレンズであるが、これより長いレンズが必要かと言われると、星の撮影以外ではいるとは思えず、星の撮影であればEF 500mm F4Lよりは、高橋製作所のFSQ-106ED (D:106mm f: 530mm F5)というスーパーな光学系が500/4の3/4程度の価格で買えるので、写真レンズとしては500mmは要らないなと思っている。まあどういう道に進んでいくか分からないところではあるが・・・

レビューありがとうございます。
>髪の毛の1本まで解像する恐るべきレンズ
ですか。被写体選びも機を付けないと>^_^
ポートレイトにいいレンズって言われますけど、モデルさんからの距離が遠くなっちゃうので???ですね。
星もこんなに切りに撮れちゃうんですか。赤道儀使用ですね。1D系のカメラならノイズが少なくていいものになりそうですね。
やっぱり難点は重さ。この重さを克服すべく、左手でレンズを持ってバーベルのように持ち上げています。
ヤケに高額なバーベルです^^;
モデル撮影会とか参加したことがないので、被写体としては飛行機と鳥さんになりそうです。
まあこのレンズで花撮影は基本的にあり得ないので、用途はここに上げた作例で
カバーできていると思います。もう少々補筆するかも知れませんが...
ポートレートでの使用例だと確かにモデルさんとの距離は離れますが、まあ85mmとか
50mmとか35mmとかとは用途が違って、全身を歪み無く自然な形に撮影すると言う
のが目的なので、コミュニケーションがどうこうというのはこのレンズに関してはない
と思います。撮影目的がスタイルであったりファッションだったりするわけですから。
無論何枚か撮ってこんなのどう?ということで、指示をしていくわけですが、行ったり来たり
大変です。
星についてはほぼ難なくこういう感じに写ります。ただ周辺減光は目立ちますね。
あと蛍石使用なので、ちょっとした温度でピントが狂います。夜露防止のための
ヒーターとかは要注意。時間が経って気温が下がってもピントは狂います。
まあここにおいた作例の大部分がそうですが、ほぼ手持ちでさくっと撮れるレンズ
なので、がんばって使い倒してください。
あー、僕もISに乗り換えたいのだけど・・・モデルチェンジ恐怖症にかかっています。