EF 85mm F1.2L USM

| コメント(0) | トラックバック(0)

このレンズの購入経緯は2001年12月25日の日記記事に記していたのだが、レンズの主観的なレビューをかくということで、購入経緯から実際の使用感までを作例をつけて、このエントリーにまとめていくことにする。

このレンズを導入する前は、キヤノンのF2.8ズームトリオとEF 50mm f/1.4 USMで撮影をしていたのだが、50mmで単焦点の描写に目覚めて、次に買ったレンズがこのレンズである。当時ポートレートを撮影し始めた頃だったため、無性に85mmというレンズが欲しかったというのはあるかもしれない。このレンズの購入からしばらくずぶずぶとレンズ沼に墜ちていくのである。

135フォーマットで85mmと言えば、言わずとしれた「ポートレート・レンズ」ということで、特に女性のポートレートで多用されるレンズである。デジタルに移行して以来、ちょっと長くてもてあましていたのであるが、EOS 5Dを購入して以来、85mmを使う機会が出てきたなと思っていたのだが・・・ もう2年ほど人物撮影をしていない。ということで、今回の記事の人物写真の作例は2年以上前に撮影したものである。

Aya

EOS 5D / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F2 (シャッター速度 1/320) / ISO100 / WB: Daylight / Model: あずまあやさん

EF 85mm f/1.2L USMは、兄弟レンズとも言える伝説の超大口径標準レンズEF 50mm F1.0L USMが製造終了になってしまった現在、EF 50mm f/1.2L USMと並んで、EFの中でもっとも明るいレンズのひとつである。大きさ・重さ・明るさどれをとってもキヤノンらしいクレイジーなレンズである。全くキヤノンは何を考えているんだか。普通の人は50mmがF1.4でもっとも明るいレンズであろうが、うちでは85mmが半絞り明るい。(ちなみに50mmも同じ明るさの物が手元にある。)

さすが開放F1.2だけあって、ピントは恐ろしいほど薄く、レンズの前玉全体が動かすためかUSMレンズの中では異様にAF駆動が遅いので、絞り開放でバシャバシャ撮るのは結構難しい。実際絞り開放におけるポートレート撮影では連写とは言わないまでも、数枚撮影してピントがよさそうなものをセレクトすると言う使い方である。

85mmになると開放F値がF1.4でもF1.8でもピントが薄いには違いないので、通常の撮影では深度を若干稼ぐために絞ることとなるが、背景に点光源が入るシチュエーションだとF1.4~F2.0まではミラーボックスによるケラレ(銀塩でもそうでした)が発生。さらに口径食が解決するF2.0からF4.0のもっとも使いそうな絞り域では絞り羽根の8角形ボケがくっきり出る。従ってシチュエーションによってはF1.6以下かF2.8以上で使わないとならないみたい。従ってこのレンズは開放で使うことが多いレンズと思う。(まあF2で使うことが僕は多い。) 背景に点光源がこない場合は特に気にはならないが、やはりこのような問題はあるせいかボケはちょっとうるさく感じるときがある。背景の整理はしておきたいところである。なお絞り形状に関してはII型で円形絞り採用となり、おおむね解決したようだ。

Akira

EOS-1D MarkII / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F2 (シャッター速度 1/400) / ISO100 / WB: Cloudy / Model: 神月 翠さん

ちょっと絞ったときの作例。背景の点光源(この場合だと車のテールランプ・信号機のライトなど)で絞りは値の形状が分かるだろうか。この仕様を理解していないと悲しい思いをすることがあるかもしれないが、これは工夫して避けるか、割り切って使うか考えればよいと言うことになる。

なおEOS-1D2では、このくらいの距離感・絞りだとあまりピントについて悩まずに使える。実際にAPS-Cだと136mm相当、APS-Hでは113mm相当の画角になるため、僕のポートレートの用法ではウェストアップや全身を撮ることが僕の場合は多かったが、その場合開放でそこそこ深度を稼げるので、結構気軽に使えるかもと言う感触。F2程度に絞って使うと背景をほど良い感じにデフォルメできて、被写体はシャープに写すという使い方になる。

Haruka

EOS D30 / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F1.2 (シャッター速度 1/20) / ISO800 / WB: Daylight / Model: はるかさん / 三脚使用

もうかれこれ5年半ほど前に撮影した写真を持ってきてみる。暗所で撮影した限界の写真はどうもこの写真がちゃんと撮れているので。比較的明るく撮れているので気が付きにくいかもしれないが、撮影データを見ていただきたい。F1.2で1/20、ISO800という、当時EOS D30でのAFの限界の暗さである。外は日没後結構経っていて、左側は外からの空の光、右側は室内のほのかな電球の明かりだけで撮影している。室内はおおむね真っ暗。このレンズの開放だと左目に合わせたピントは右目にはこない。この写真のピクセル等倍でみても左目にピンは来ている。こちらは三脚を使用して前後にほぼ動いていないので、モデルとなっていただいたはるかさんが前後に全く動いていないということになる。従ってこのような撮影ははるかさんの技量だけで撮影できてしまっているのであるが、実際の所ほぼ一発撮りができた、なかなか巡り会わないタイプの得難いモデルさんである。実際にこのような撮影だけではなく、絞りF2未満のバストアップな撮影では、自分の無意識な前後動を押さえるために、三脚に載せて、雲台を若干稼働できるようにしてサポートに使う方がピントは安定する。ポートレートは機動力で三脚を持たないという場合は多いが、室内での撮影で車で機材を運べるときは三脚を持っていくべきであろう。

cosmos2005

EOS-1D MarkII / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F1.2 (シャッター速度 1/6400) / ISO100 / WB: Daylight

コスモスを絞り開放、手持ちで撮影した作例。このような奥行きのある被写体(そんなに奥行きがあるわけではないが、このレンズの被写界深度に対しては奥行きが大きい)では、何処にピントを合わせるべきか悩ましいところである。この作例では、コスモスの茎の部分にAFでピントを合わせ撮影を行った。風さえやんでいればかなり安定して撮影できるが、ピントが迷いやすいことと、AF駆動が遅いため、置きピンで撮影した方が簡単に撮影できるように思う。(実際茎のような細い物にAFするのもそれなりに・・・)

Glasses

EOS-1D MarkII / EF 85mm F1.2L / 絞り優先AE F5.6 (シャッター速度 1/125) / ISO100 / WB: Daylight

絞り込んで物撮りの作例。これだけ縮小するとわかりにくいが、絞り開放域とはまた異なった、鮮鋭度が高いと言うべきか、開放域の描写とはまた趣の異なった描写に変貌する。このレンズを絞り開放域で使用する場合はおそらく多く、F5.6以上に絞って使用する人は多くはないと思うが、絞り込んだときの描写も捨てがたいので、使い慣れてきたらいろいろ絞り込んで使い込んでいきたいところである。

まとめると何個かの不満な点はあり、後継レンズで解決されている問題点(絞り形状とかAF速度とか)はあるものの、このレンズの持つそれぞれの絞りでの描写、ヌケの良さは他にかえがたいレンズである。エコガラスになった後継レンズとの画質比較評価は行っていないが、いろいろな作例を見た感想では、このレンズは新レンズと比べても同等以上かなと思うところは多く、買い換える必要は全くないと考えている。このレンズを使い始めて早6年、銀塩からデジタルへの移行、デジタルにおけるフォーマットサイズの変遷(僕はAPS-C、APS-H、135という流れで使ってきた)に翻弄されて、使い方もいろいろと変わったが、135フォーマットの画角に戻ってきた最近はフィルムだけで使っていた頃よりも幅のある使い回しができるようになったのではないかと個人的には考えている。レンズの代替わり直前にOHも行うことができたため、壊れて動かなくなる日が来るまで、使い倒していこうと思う、お気に入りのレンズである。(まあ癖のある子は可愛い物だし。)

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.ogwk.org/~kentaro/MTOS/mt-tb.cgi/27

コメントする

このブログ記事について

このページは、kentaroが2008年4月22日 01:38に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「過去の撮影機材の紹介」です。

次のブログ記事は「メインPCの世代交代とWindows Vista 64bit版」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。